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理事長  渡邊 剛

日本ロボット外科学会理事長の渡邊剛と申します。

『日本ロボット外科学会』は世界で初めて外科手術用に開発された「ダビンチ」というロボットを使い外科手術を始めた外科医たちが集まり始まった学会です。

私は2005年に日本で最初にロボットを使って心臓手術を行い、その後今まで1,200件以上の手術を行って参りました。2005年当初は日本にあったロボットはわずか4台でした。当時は一般の方々も“ロボットを使って手術を行う”ということなど考えも及ばなかった時代で、「ロボットは宇宙または戦争中に使うのが適当である」と言う学者もたくさんおりました。“日本では今後ロボット手術が主流になる”と信じて、安全な普及を目的として2007年にこの学会を設立しました。

ダビンチが開発された経緯は、1993年に勃発した湾岸戦争を契機として、アメリカ国防総省が前線の兵隊をアメリカ国内から手術ができるように開発したものを民間転用して出来上がったものです。その完成度は素晴らしく、人間の手をさらに縮小して肩関節から体の中に入るような動きが可能になっています。
当初は1.5ミリ位の心臓の血管同士をつなぎ合わせる心臓外科のために開発されたロボットですが、その後泌尿器、産婦人科、消化器外科、甲状腺、呼吸器外科そして現在では耳鼻科領域などに応用されています。
従来は大きな傷でなければできなかった手術が、小さい傷だけでできるわけですから患者さんにとっては大きなメリットがあります。それは外科手術の歴史を見ても、100年前にドイツの外科医が初めて胃の手術をした時と同じような大きなインパクトのある歴史を変える出来事でした。

いずれは全ての手術がロボットを使って行われる日も近いでしょう。
このページは一般の方々に「ロボット手術」というものをより身近に感じていただきたいと願い立ち上げました。ぜひご覧ください。