理事長挨拶
我が国におけるロボット支援手術は、2000年の導入以来、驚異的な進化を遂げてきました。特に近年では、手術支援ロボットの技術革新やAIをはじめとするデジタル技術との融合により、その可能性は飛躍的に広がっています。内視鏡下手術の延長線を超え、ロボット支援手術はまさに新たなステージへと突入しようとしています。
2025年現在、日本国内にはda Vinci Surgical System(Intuitive Surgical社、米国)だけでなく、Hugo™手術支援ロボットシステム(Medtronic社、米国)、国産のhinotori™サージカルロボットシステム(株式会社メディカロイド)、Saroa サージカルシステム(リバーフィールド株式会社)などが上市されており、今後も新たな手術支援ロボットの登場が期待されます。医療現場においてロボット支援手術の重要性はますます増しており、それに伴い、安全性の確保や医療経済性といった課題にも対処していく必要があります。
2007年に設立された日本ロボット外科学会は、これまでロボット支援手術の安全性向上と普及、技術開発、人材育成に尽力してきました。今後も会員による情報交換の活性化や、関連学会・団体との連携を強化し、ロボット支援手術の安全性向上と普及啓発、若手外科医の育成、医療経済性・保険収載に関する提言など、広範囲にわたる活動を通じて、日本におけるロボット支援手術のさらなる発展に努めます。2005年には、米国のロボット外科学会であるSRS(Society of Robotic Surgery)とも協力体制を構築し、国際的な展開を目指しています。
会員の皆様、医療関係者の皆様、そして患者様の期待に応えられるよう、更なる努力を重ねてまいる所存です。皆様のご支援とご協力を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
日本ロボット外科学会
理事長 渡邊 剛